今宵は楽しいクリスマス!!
♥♥♥メリーだね鈴鹿~♥♥♥
という訳で今回は、クリスマスのスチルイベントについて真面目に考察させて頂きます。
鈴鹿ルートのネタバレ満載となっておりますので、未攻略の方はご注意下さいませ。
そんじゃ、いってみよう~~~~。
以前「鈴鹿が笑顔を見せているスチルはクリスマスだけ」という事実に気付き、記事でも触れたことがあります。
何故、他のスチルでは笑っていないのか?
その理由についてじっくり考えていきましょう。
クリスマスイベントについて触れた記事はこちら↑。
まず彼の全スチルを出せる条件の順番(好感度順)に並べて、イベント内容と顔の表情を振り返ってみます。
①「そのタオル……」(普通)
体育館での初対面シーン。
罰ゲームのモップがけ中で不機嫌顔。
②「テスト中だよ?」(普通)
テスト期間中に廊下で遭遇。
こっそり部活に出ようとしているところを見つかって、バツの悪い顔。
③「お見舞いへ」(友好のみ)
怪我をして欠席した彼の自宅へ。
レギュラーを外されるかもしれない、という不安な思いがあった事を明かされる。
驚き顔→痛む顔→ちょっと微笑む。
④「悔し涙」(友好以上)
コーチに叱責されて頭から水を被っている。
流れる水と苦し気な表情が泣いているように見えて、胸が痛む顔。
⑤「水槽の前で」(友好以上)
夏の水族館デート。
大きな目標と、自分の未熟さを語られる。
真面目な表情&主人公に対する呆れ顔。
⑥「ライオン怖い」(友好以上)
秋の動物園デート。
ライオンを怖がるビビり顔が二種類。
⑦「ゲーセンで喧嘩?」(友好以上)
2年目2月以降、春のゲーセンデート。
不注意でぶつかってしまった主人公に因縁をつけてきた男と、その場で喧嘩になりかける。
激怒&諫められて耐える顔。
⑧「学園演劇」(友好以上&ときめき度が一番高い)
3年目文化祭。
主人公が演じるヒロイン役を蹴飛ばす場面。
熱演の怒り顔(実は目に涙を溜めている)。
⑨「ナイスパス」(好き以上)
「悔し涙」発生後の部活全体練習。
ワンマンプレイヤーだった彼が試合中、初めて味方にパスを出す。
仲間を信頼し、真剣にプレイしている表情。
⑩「スキーでおんぶ」(好き以上)
冬のスキー場デート。
転んで足を捻った主人公をおんぶ。
くっつきすぎて赤面しつつも、責任を感じている&心配そうな顔。
⑪「満点の星を手に入れる」(好き以上)
3年目クリスマス。
子供の頃、屋根に上って星を捕まえようとしたエピソードを話してくれる。
笑顔と照れ顔。
DS版で追加された「鈴鹿と補習授業」を省くと、出現条件の好感度で並べればこのような順番です。
勿論プレイする毎に多少の入れ替わりはありますが、スチル開放順だとクリスマスが一番最後になりますよね。
補習イベントについては後ほど語るとして、この「クリスマスが一番最後に出せるスチルである」という事が今回の考察の核心です。
鈴鹿の全スチルをざっと振り返ると、ある事に気が付きました。
それは「ナイスパス」以外は全て、彼にとって自分の格好悪い部分を見せている状況ばかりだという事です。
「そのタオル」「テスト中」では、自分の思い通りにならず不機嫌な態度をとっている。
「お見舞い」「水槽の前で」では、心のうちに秘めた弱音を見せている。
「悔し涙」では、上記二点の感情が爆発して主人公に酷く当たり散らしている。
「ライオン怖い」では、子供のような弱点を曝け出している。
「ゲーセンで喧嘩」では、後先を考えず熱くなり、その性格を反省している。
「学園演劇」では、台本上の事とはいえ主人公を蹴飛ばす、という行為が堪えて涙ぐんでいる。
「スキーでおんぶ」では、男の自分が付いていながら主人公に怪我をさせてしまった責任を感じている。
そしてクリスマスイベントでも、料理の皿をひっくり返して袖を汚したり、子供の頃の「バカなガキだった」というエピソードをやや自嘲気味に話したりしています。
でも、他のスチルと違って態度も表情も穏やかなんですよね。
その違いは安心感だと思います。
「最後に出るスチルイベントの二人」=「好意や信頼関係を積み重ねて来た関係の二人」である、という事であり、更には
「これまで散々格好悪い姿を見せてきた・見てきた二人」でもあるわけです。
スチル以外のイベントでもブランコで遊んでいたり(外出)、破れた服を縫ってもらったり(告白未遂)と、本人的には格好悪いと思っているであろう姿を他のキャラより頻繁に晒している鈴鹿。
しかし、これらとクリスマスでは主人公に対する態度が大きく変わりました。
告白未遂の時点では、服を縫ってあげると申し出た主人公に
「い、いいよ!!もう家帰るだけだから」
と恥ずかしがって遠慮しているのに対し、
クリスマスで汚した袖を拭いてくれる彼女には
「やっぱり外は寒ぃな。早くしてくれよ」
と、何の躊躇も無く甘えきっているのです。
この違いこそが主人公への信頼感・安心感ではないでしょうか。
流れで負けず嫌いな子供の頃のエピソードを話したのも、「彼女なら笑って受け入れてくれる」と思っての事ではないかと。
そして実際に
「すぐに諦めて自分に言い訳ばかりする人より、ずっと素敵だと思うよ」
と、幼い頃の笑い話として軽く受け流す以上の反応をくれた主人公。
彼女がごく自然に放ったその言葉は、彼が今まで心の奥底に抱えてきた自己否定感を優しく打ち砕いてくれたと思います。
今までもずっと、そうやって自分を励まし続けてくれた。
間違った時はすぐに正しい方へ導いてくれた。
格好悪い部分を、否定せずに見守ってくれた。
だから安心して、最後のスチルで心から笑う事が出来たのではないでしょうか。
過去に鈴鹿の生みの親である内Pが語っていた、彼のキャラがどのような工程で作られたか、という話が考察のヒントとなりました。
最初の位置づけは「熱血スポーツ少年」。
でもただ強いだけでは深みが出ない、そこで劣等感というバックグラウンドを背負わせて肉付けしていったそうです。
バスケ選手なのに背が低いという設定も、そこから発生しているとのこと。
いつも前向きでサッパリとした性格ではありますが、実は劣等感ありきのキャラとして作られたという鈴鹿の誕生秘話。
この話を知って、今まで彼に感じてきた諸々の感情がパズルのピースのようにピッタリ合致しました。
本人的に格好良いとは言えないイベントやエピソードが多いのも、他のキャラに比べて弱点が多く未熟な性格なのも、全てが劣等感ありきのキャラ設定だったからなんですよね。
私はそのように感じ取り、彼の在り方としてとてつもなく大納得しております。
それでも真っ直ぐに前を向き、自分の可能性を、目標が叶う未来を純粋に信じる鈴鹿。
彼の眩しい長所ではありますが、「悔し涙」のように先へ進めず足掻く日もありました。
周囲には強がってみせても、本当はどうしようもなく弱い部分を常に抱えていたと思います。
そんな時に主人公と出会い根気よく励まされ、自信を取り戻して人間的にも大きく成長できた彼。
ときめき会話に「鈴鹿くんカッコいい!」とか「天使だね」とかベタ褒めする内容が多いのも、劣等感を拭いさる為にそう作られたのかなぁと推測してます。
明らかに他のキャラよりも大袈裟に褒められてますからね。
彼女の大仰な褒めっぷりに大赤面で驚き戸惑いつつ、彼も満更でもない様子で賛美を受け入れてくれます。
普段の言動は強がってばかりでも、実は自己評価がそこまで高くないんだろうな……と劣等感の話を知って更にいじらしくなりました。
そうやって鼓舞されてきた積み重ねが、やがて主人公への絶対的な安心感・信頼感へ育っていったのだと思います。
「一緒にアメリカへ来てほしい」と決めてしまうほど、揺ぎ無い恋心にも。
「でも、なんだかお前にそう言われると……それでいいんだ、って気がする」
この台詞と柔らかな笑顔には、言葉以上に大きな想いが込められているように感じられます。
「悔し涙」からもう一段階立ち直った、鈴鹿の真っ直ぐな彼女への感謝と愛情が。
さて、ここで追加された「鈴鹿と補習授業」のスチルについてです。
こちらでも悪戯っぽい笑顔を見せてはいるのですが、クリスマスとはまた意味合いが違う気がするんですよね。
状況としては主人公と一緒に赤点の補習を受けている最中、二人で黒板に落書きして遊ぶというワンシーンです。
他のスチルと同じく「補習中にサボってイタズラ書き」という、決して格好良くはない場面ですね。
が、しかし。
他と違うのは彼女も一緒に悪い事をしている、という点です。
つまり自分だけが格好悪いのではなく、「赤点で」「補習で」「一緒に落書きを楽しんでいる」主人公も同じ立場であるという事。
これは彼にとって、自分だけが劣等感を感じる必要のない、非常に楽しい状況なのではないでしょうか?
対等の立場で格好悪い事をして、二人で笑っているわけですから。
クリスマスの時とはまた別種の、安心感と信頼感を感じている笑顔だと思います。
かわいいお二人ですね(^ω^)
さてさて。
年内の更新は今回でラストとなります。
今年の春に突如始まったこの頭のおかしいブログに年末までお付き合い頂き、本当にありがとうございました!
どなた様も良い年の瀬をお過ごし下さいませ。
次回はめでたさ満載な元旦に更新です。
おせちもいいけど鈴鹿もね!
(起動ボイス聞かなくっちゃ♥♥♥)